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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻1号

1980年01月発行

文献概要

今月の主題 胃病変の時代的変貌 主題

食生活と胃病変の変貌

著者: 並木正義1

所属機関: 1旭川医科大学第3内科学教室

ページ範囲:P.59 - P.64

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 第2次世界大戦後30余年間における日本国民の食生活のパターンは,確かに大きな変化をみた.一口にいえば食生活の欧米化といえよう.そしてそれに伴ってわが国の疾病構造が変りつつあることも事実である1)2)

 多くの疾患は,遺伝的・体質的素因の上に種々の環境的要因が加わって発症すると考えてよいが,この場合,後者としての食生活の影響は大きい.とくにある疾患が時代とともに増加したとか減少したといった変貌を考えるとき,食生活の問題は十分考慮すべき重要な課題である.ただ,ある疾患と食生活の関連性を,だれもが納得する根拠と裏づけをもって説明するのは,非常に困難なことである.ことに胃病変(胃疾患)に限られると大変苦しい.今回のテーマが与えられたとき,総動員であらゆる資料を集めた.瀬木三雄先生にはずいぶんお世話になった.また日本人の食生活の歴史3),その他雑学的な参考書も手当りしだい読んだ.しかし,調べれば調べるほどむずかしさがつのるばかりでいささか参った.結局は文献的資料と,わずかな筆者自身の資料をもとに見解を述べるしかない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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