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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻12号

1980年12月発行

今月の主題 逆追跡された胃のlinitis plastica―早期発見のために(2)

主題症例

経過追跡しえたlinitis plastica胃癌の1例

著者: 磨伊正義1 新野武吉2 土用下和宏3 渡辺騏七郎4

所属機関: 1金沢大学がん研究所病院外科 2金沢市新野外科胃腸科医院 3金沢市大手町病院 4国立金沢病院病理

ページ範囲:P.1267 - P.1271

文献概要

 臨床上linitis plastica胃癌における早期診断は極めて困難で,進展が早く,予後が極めて悪いことはしばしば経験するところである.私ども臨床医は日常の診療において,このlinitis plastica癌を見落とさないようにと日夜気にかけているつもりである.にもかかわらず,数年にわたる胃X線検査で突然leather bottleのX線像が出現し,愕然とすることがある.最近筆者らはX線,内視鏡検査で悪性とする異常所見を把握できず,1年後にlinitis plasticaの状態で手術された症例を経験したので,若干の検討を加え,報告する.

 症 例

 患 者:54歳男,警察官.

 主 訴:食欲不振.

 家族歴,既往歴:特記すべきことはない.

 現病歴および診断経過:1977年1月の胃集団検診にて異常を指摘され,1977年2月1日金沢市内の病院にて胃X線および内視鏡検査を施行するも,異常を指摘できなかった.1978年1月初旬ごろより食欲不振を認めるようになり,新野外科病院を受診,胃X線検査にてBorrmann 4型癌が疑われ,胃生検にて癌の確診を得たため,同年3月6日胃全剔術が施行された.入院時の検査成績には異常を認めなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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