icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻12号

1980年12月発行

文献概要

今月の主題 逆追跡された胃のlinitis plastica―早期発見のために(2) 主題症例

急速な発育進展を示したBorrmann 4型胃癌の1例

著者: 矢川裕一1 大谷洋一1 喜多村陽一1 勝呂衛1 長谷川利弘1 鈴木茂1 鈴木博孝1 遠藤光夫1 小林誠一郎1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科

ページ範囲:P.1281 - P.1284

文献購入ページに移動
 胃癌に対する診断,治療の著しい進歩にもかかわらず,Borrmann 4型あるいはスキルス型胃癌の予後は極めて悪い.ここに逆追跡しえたBorrmann 4型胃癌の1症例を呈示し,その早期診断について考察を加えてみたい.

 症 例

 患 者:69歳,女,無職.

 主 訴:左側腹痛,胸やけ,体重減少.

 家族歴,既往歴:特記すべきことなし.

 現病歴:1971年5月初めより食後の腹部不快感が出現し,約1カ月後当センターを受診,胃X線,胃内視鏡検査の結果,慢性胃炎の診断で薬物治療を受けて症状は軽快した.1972年5月同様症状が再現し,6月には上記主訴の出現をみた.同年7月,当センターを再受診して胃X線胃内視鏡検査の結果,Borrmann 4型胃癌の診断で8月14日入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?