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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻2号

1980年02月発行

今月の主題 腺境界と胃病変

主題

胃底腺粘膜領域の癌のX線診断

著者: 杉山憲義1 竹腰隆男1 丸山雅一1 馬場保昌1 二宮健1 田尻久雄1 佐藤治1 大崎康世1 高木国夫2 加藤洋3 中村恭一34

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院外科 3癌研究会附属病院病理 4筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.145 - P.154

文献概要

 胃の腺境界の重要性は,腺境界によって分かたれた各粘膜領域ごとに病変の種類も頻度も異なることであり,とりわけ胃癌では組織型や発育進展様式も異なっている.

 胃癌のなかでも胃底腺粘膜領域の癌(99%が未分化型)は他領域の癌と比べるととりわけ異なった浸潤様式を示す.胃底腺粘膜領域の癌は極めて粘膜内癌巣の小なる内に広汎な粘膜下浸潤を示す傾向がある.このことは,胃底腺粘膜領域の癌はLinitis Plastica状態になる可能性が極めて大であると言える.Linitis Plastica状態の胃癌はその切除率も低く,5年生存はほとんど不可能である.しかしながら,その発生当初はやはり早期癌であり,その時点での発見がなされればLinitis Plastica状態の胃癌の撲滅も期待できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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