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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻2号

1980年02月発行

今月の主題 腺境界と胃病変

研究

悪性貧血における胃粘膜病変とガストリン分泌動態

著者: 福地創太郎1 山田直行1 紫芝良昌2 山崎ゆう子2 西蔭三郎3 原満3 望月孝規4

所属機関: 1虎の門病院消化器科 2虎の門病院内分泌学科 3虎の門病院病理学科 4東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.187 - P.199

文献概要

 Addison-Biermer氏の悪性貧血は欧米ではかなり多い疾患であるが,わが国では,今日でも比較的稀な疾患に属する.本症の胃粘膜に広範かつ高度の萎縮が見いだされることは,古くから知られており,胃酸分泌はヒスタミン無反応性の無酸症を示すことが特徴的とされ,また本症における巨赤芽球性貧血は,胃液中に分泌される内因子の欠乏による,回腸におけるVB12の吸収障害によって惹き起こされることは周知の事実である.

 しかし胃粘膜病変に関しては,当初は剖検胃の組織学的所見に基づく限られた症例の報告にすぎなかったが,Woodの吸引生検の登場以来,多数例について生検組織像が検索されるに至り,種々の段階の胃炎性変化が指摘されてきた.更に,内視鏡所見などによる諸家の報告もみられるが,本症の胃粘膜病変について,汎発性胃粘膜萎縮(panatrophie)とみなすもの,胃底腺粘膜の汎発性萎縮とするもの,あるいは種々の段階の胃炎性変化とするものなど,必ずしも一定していない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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