icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻2号

1980年02月発行

今月の主題 腺境界と胃病変

研究

胃底腺・幽門腺境界部粘膜,特に中間帯粘膜の拡大観察

著者: 飯田洋三1 榊信広1 斉藤満1 多田正弘1 竹本忠良1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科

ページ範囲:P.201 - P.207

文献概要

 内視鏡検査に携わるものにとって,少しでも粘膜を拡大し,より微細な所見までゆっくりと確実に観察したいという希望をもつのは当然の願望であろう.竹本1)は以前から近接拡大観察の利点と必要性について強調している.そのような長い間の内視鏡医の切なる期待も,近年の消化器内視鏡機器の改良および手技の進歩に伴って,拡大観察を主目的とする内視鏡の開発が急ピッチですすみ,どうやらかなえられそうである.現状をみると,既に食道,胃,大腸,小腸とすべての消化管について拡大観察が行われており,更に腹腔鏡検査にも用いられ,数多くの新知見がもたらされている.

 われわれは,これまでにも胃拡大ファイバースコープmagnifying gastrofiberscope(FGS-ML)を使用して,胃粘膜の拡大観察所見について報告してきた2)~5).共同研究者の榊2)はFGS-MLを用いて胃小区よりももっと微細な胃小窩単位の拡大観察を行って,拡大内視鏡による胃粘膜微細模様分類について報告した,この胃粘膜微細模様分類はすでに本誌に発表しているが,症例を追加し検討してみると,なかなか一筋縄ではゆかないことを身にしみて感じる.すなわち慢性胃炎の拡がりかたによっては,榊らの基本型にあてはまらない移行型もあり,既に報告している拡大内視鏡分類をもう一度再検討しなおしてみる必要性があることを痛感した.しかし分類というものはできるだけ単純明快であるほうが理解しやすいということも事実で,拡大内視鏡経験による微細所見の複雑化をどのように整理するか,実際には大いに迷った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら