文献詳細
今月の主題 症例特集
症例
文献概要
消化管重複症の報告は近年わが国においても増加しており,それほど珍しくはなくなったが,それらの多くは小腸および大腸の重複症であり,食道および胃の重複症はまだ稀である.またそれらは囊腫状で消化管と交通のない場合が多く,消化管と交通を持ち,相接する腸管と似た管状の重複症は比較的稀であり,記載の明らかな本邦の食道重複症報告例は現在まで30例であるが,管状重複症はその内の3例に過ぎない.
著者は先年,成人の大きな管状胃重複症の治験例を報告したが28),本例はその後の経過観察中に食道癌に罹患し,その根治手術に際して,癌を有する本来の食道の全長にわたり,これと接して走る,完全に近い重複食道を認め,これも摘除,治癒せしめえたので,若干の文献的考察を加えて報告する.
著者は先年,成人の大きな管状胃重複症の治験例を報告したが28),本例はその後の経過観察中に食道癌に罹患し,その根治手術に際して,癌を有する本来の食道の全長にわたり,これと接して走る,完全に近い重複食道を認め,これも摘除,治癒せしめえたので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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