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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻4号

1980年04月発行

今月の主題 大腸の早期癌―胃早期癌と比較して

主題

大腸早期癌の病理学的特徴―とくに組織発生的観点から

著者: 喜納勇1 中村真一1

所属機関: 1浜松医科大学病理

ページ範囲:P.357 - P.364

文献概要

 大腸の早期癌の定義は未だ定められていない.しかし胃早期癌にならって深達度sm迄にしようということが暗黙のうちの了解事項になっている感がある1).したがってここでは深達度smまでの癌を大腸早期癌と仮に定義して話を進めることにする.

 大腸早期癌の病理学的特徴を考える時,これと密接に関連して問題となることはその組織発生的特徴であろう.この問題を抜きにして大腸早期癌の病理学的特徴を論ずることは不可能である.組織発生的特徴とはいうまでもなく腺腫の癌化(adenoma-cancer sequence)である.大腸早期癌は腺腫(性ポリープ)と共存することがしばしばあることは経験上の裏づけである.大きい腺腫の一部に粘膜内癌があれば,これはまぎれもない大腸早期癌である.大腸早期癌というカテゴリーで症例を集めればかなりの率で腺腫内癌(cancerin adenoma)が含まれてくるのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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