文献詳細
胃と腸ノート
側視型ファイバースコープによる内視鏡的レーザー止血法
著者: 小西敏郎1 岩崎甫1 村田宣夫1 片山憲恃1 丸山雄二1
所属機関: 1東京大学第2外科
ページ範囲:P.392 - P.392
文献概要
今回この伝達機構を用いれば側視型F.S.にても内視鏡的レーザー止血法の応用が可能であることが判明したので報告する.今回の実験にはquartz coreが400μと600μの2種のquarz fiberを用いた.両種のquarz fiberを用いてもNEC-SL115から発するNd-YAGレーザーは側視型F.S.(今回はGF-B3を使月)の先端から30~50ワットまで,鉗子起上アングルを最大にして約70°の角度をquarz fiberに負荷してもquarz fiberを何ら損傷することなく伝達が可能であった,そこでヘパリン化された成犬の胃の胃角小彎前壁寄りに出血性胃潰瘍をQuinton ulcer maker4)により経口的に作製し(Fig. 1),Nd-YAGレーザー照射による内視鏡的止血法をquarz fiber先端と潰瘍との距離を約1cmに保つようにして試みた.50ワットのNd-YAGレーザー照射出力で3秒間の照射を3回繰り返すと潰瘍からの出血は穿孔を生ずることなくほぼ完令に止血された(Fig. 2).
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