文献詳細
文献概要
今月の主題 大腸の早期癌―胃早期癌と比較して 主題
大腸早期癌の治療方針
著者: 土屋周二1 大木繁男1 松田好雄1 江口英雄1 大見良祐1
所属機関: 1横浜市立大学医学部第2外科
ページ範囲:P.393 - P.398
文献購入ページに移動さて大腸早期癌の定義はまだきめられていないが早期胃癌と同じくm癌,sm癌とする傾向にある.m癌についてはポリペクトミーを含めて局所切除術による原発巣の摘除で良いというのがほぼ一致した意見であるが,sm癌ではリンパ節転移や再発が少数ながらありうることからリンパ節郭清を伴う根治手術をすべきという意見が多い.しかしsm癌のすべてに広汎な,ときには膀胱障害を起こしうるようなリンパ節郭清を行い,また人工肛門を造設するような根治手術が果たして必要であろうか.たとえsm癌でも病理学的に一定の条件を満すものにはポリペクトミーを含めた局所的な手術でも完治できるものが少なくないと考えられるがこれはどの位確実性をもったことであろうか.この点を中心に大腸早期癌の治療方針を検討したい.
掲載誌情報