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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻4号

1980年04月発行

文献概要

症例

術後血漿CEA値上昇により肺転移がチェックされた直腸早期癌(sm癌)の1例

著者: 北條慶一1 犬飼偉経1 米山武志1 広田映五2 亀谷徹2 板橋正幸2

所属機関: 1国立がんセンター外科 2国立がんセンター病理

ページ範囲:P.447 - P.451

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 1965年Goldの報告以来,血漿Carcinoembryonic Antigen(以下,CEA)が注目されているが,Goldが発表したように必ずしもCEAが大腸癌にspecificなものでなく,他の消化器癌のみならず,肺癌,乳癌にもみられ,また大腸の炎症性疾患にみられる半面,血漿CEA値が異常値を呈さない大腸癌も少なくないことがわかり,大腸癌の,特に早期癌のdetectionの検査方法としては必ずしも適切ではない.しかし,術前血漿CEA高値を示した大腸癌を切除すると,治癒切除では血漿CEA値は正常域にもどり,また術後の経過を追ってみると,再発を来たすとともに血漿CEAも高値になってくることが明らかであり,すなわち術後の再発のチェックには有意義な検査であるといえる.

 最近われわれの施設で小さなpolypoidの直腸癌を発見し,切除後いったん正常域にもどった血漿CEA値が数カ月後に異常な高値を示し,肺転移が発見され,再治療に成功した症例を経験したので報告をする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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