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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻5号

1980年05月発行

今月の主題 胃のGiant Rugae

主題

胃巨大皺襞の病態―メネトリエ病の場合

著者: 多賀須幸男1 土谷春仁1

所属機関: 1関東逓信病院消化器内科

ページ範囲:P.531 - P.541

文献概要

 胃の皺襞は,「筋層に比して面積が大きい粘膜層がたるんで作ったひだである」と説明されている,それが巨大となる原因として,1)胃腺の増殖または肥大による粘膜層のびまん性の肥厚,2)粘膜問質の浮腫や細胞浸潤による粘膜・粘膜下層の肥厚,3)粘膜下層や筋層の収縮,があげられる.これらのうち,1)の理由により粘膜ひだが著しく巨大になった病変がメネトリエ病である.胃のgiant rugaeの病態という大きな命題に答えることは筆者らの手にとうてい負えぬことであるので,良性巨大皺襞の最も典型的な姿であるメネトリエ病のそれについて,綜説的な考察を行って責に代える次第である.幅広いスペクトルを有する巨大皺襞の一方の端に位置する本症の輪郭をとらえることは,全体の理解にとって欠くべからざるものであろう.

 なんとしても稀な疾患であるので,メネトリエ病を「胃粘膜の著しい増殖により胃粘膜ひだが脳回転様にまで巨大となった病変」104),と定義して,1950年から78年までの期間の内外文献より上記に合致することが確認できた自験例2例を含む86)116)113例(日本31例,アメリカ44例,フランス24例,ドイツ5例,他9例)を対象とした注).メネトリエ病の名称で報告されながら,上記定義に合致しない症例が稀ではない.他方,giant hypertrophic gastritis(またはgastropathy),tumor forming gastritis,hypertrophic protein-losing gastropathy,cachectic chronic gastritis93)などの名称で報告されているものも少なくない,近年はメネトリエ病と称する報告が多いが,これは本疾患の独立性あるいは特異性が承認されてきたことのあらわれであろう.症例の蒐集にあたっては広範に及ぶタコイボ胃炎または集簇したポリポージスとみられるものは除外したが,いずれとも決めかね,疑問を残しながら加えた症例がある9)26)33)38)53).小児のメネトリエ病は,成人のそれと異なると思われるので,別に扱った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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