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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻6号

1980年06月発行

今月の主題 小膵癌診断への挑戦

主題症例

膵頭部に発生した小膵癌の根治手術例

著者: 尾崎秀雄1 大倉久直2 中村耕三2 吉森正喜2 岡裕爾2 岸紀代三3

所属機関: 1国立がんセンター外科 2国立がんセンター内科 3国立がんセンター病理

ページ範囲:P.647 - P.651

文献概要

 膵疾患に対する診断技術は,近年とみに開発され,膵癌の診断率も種々の検査法の組合せで100%近くになされるようになったが,なお外科的治療の予後が不良であるのは,このような成績が主に進行癌においてなされている点にある.したがって早期発見が大切で,膵癌を診断する以前の問題としてのスクリーニングが極めて重要である.閉塞性黄疸が早期において出現する場合は幸運というべきで,これらは何らかの方法で容易に診断がつけられ,開腹手術の運びとなる.このような症例は膵頭部癌の10%位と推定されるが,大多数の黄疸を有しない,あるいは黄疸出現前の患者をどのように発見するかが,膵癌の早期診断法を確立する上に重要である.

 ここに報告する症例は,約15年前から胃の多発性潰瘍で国立がんセンター外来を訪れていた患者である.尿Amylaseの上昇を認め,膵癌を疑って入院させた後に,黄疸が出現しはじめた症例で,種々の意味で興味深いものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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