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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻7号

1980年07月発行

今月の主題 消化管出血と非手術的止血

主題

外科からみた非手術的止血法への批判

著者: 武藤輝一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.721 - P.725

文献概要

 表題のような内容について記載するようにと編集室から御連絡をいただいたが,私にはとても“非手術的止血法の批判”などを書く資格はなさそうである.むしろ,最近はいろいろと工夫して非手術的止血法が積極的に検討されつつあることに敬服の念をいだいているからである.もし外科からみて申し上げたいことがあるとすれば,非手術的止血法に専念するあまり,その間の循環管理などを中心とした全身管理が不十分となり,手術適応として外科へ送られて来たときにはショック状態となっていて,手術により止血しえたものの腎不全の状態になったとか,hypoxiaが続いたために術後縫合不全を起こしたとか,大量輸血のために血清肝炎を併発したというような症例があることである.状態が不良のまま手術せざるを得なかったとしても,死亡の原因や合併症発生の原因はすべて外科医の責任となる.結局は,非手術的止血法そのものについての批判というものは少なく,手術適応の判定時期や全身的な管理・治療に問題があることになる.したがって,必ずしも表題に合致した内容ではないかもしれないが,思うところを述べさせていただきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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