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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻8号

1980年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸憩室 主題

大腸憩室症の最近の動向

著者: 武藤徹一郎1 上谷潤二郎1 沢田俊夫1 杉原健一1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.801 - P.806

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 大腸憩室はVoigtel(1804)によって初めて記載されたが,1900年以前にはほとんど知られていない稀な疾患であった1).それが1920年頃から増加の傾向を示し,近年に至っては60歳以上の1/3には存在すると推定される程の高頻度な疾患となり,‘fiber deficiency disease'と考えられるようになってきた.周知のように,欧米にはS状結腸憩室が多く,わが国では右側結腸憩室が多い.Painterらの結論するように,この疾患が欧米型の低残渣食の摂取が習慣化してから約40年後に発症してくるものならば,近い将来にわが国においても高頻度の疾患となる可能性がある1).したがってこの時期に,治療的に問題の多い欧米型大腸憩室をよく理解しておくことは意義深いことであろう.本稿では,従来わが国でしばしば取り上げられてきた右側結腸憩室はさて置いて,主として問題の多い左側結腸憩室の最近の動向に焦点を絞って述べることにしたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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