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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻8号

1980年08月発行

今月の主題 大腸憩室

主題

機能面からみた大腸憩室症(大腸憩室疾患)

著者: 藤田潔1 渡辺正俊1 小田原満1 針間喬1 内田善仁1 河野裕1 藤川佳載1 岡崎幸紀1 竹本忠良1

所属機関: 1山口大学医学部第1内科

ページ範囲:P.817 - P.823

文献概要

 1973年以前のわが国の大腸憩室の統計1)~5)をみると発見率が5%をこえている報告はない.当時は比較的少ない大腸疾患と考えられていたし,臨床的にもそれほど重要視されない疾患であったといえよう.ところが,近年大腸疾患に対する関心が急速に高まったこと,大腸のX線検査法の手技上の根本的な改良と読影能力の向上などのおかげで,大腸憩室の発見率は,注腸X線検査総数の5~17.3%6)~8)と,むしろもっともありふれて見かける大腸疾患の1つとなった.また,これまで発表されている諸家の報告のうちで信頼できるものをみても,検査手技の向上だけが増加の原因でなく,確実に増加傾向が認められるようで,欧米における発生頻度5.7~25%9)~11)にせまろうとしている.

 一方,これらの大腸憩室疾患(diverticular disease)の50~78.5%が,なんらかの臨床症状を伴っている12)~15)とされており,臨床の場においてももっともっと重要視しなければならないと認識が改められつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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