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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻8号

1980年08月発行

文献概要

今月の主題 大腸憩室 主題症例

頻回な再燃のため手術を施行した右側結腸憩室症の1例

著者: 大森尚文1 秋本伸1 亀岡信悟1 五十嵐達紀1 浜野恭一1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科

ページ範囲:P.851 - P.856

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 従来より右側結腸憩室炎は左側に比して重篤な合併症を併発することが少なく,保存的療法で寛解するといわれている.しかし最近右側結腸憩室炎でも左側結腸憩室炎と同様に多発性で,壁の硬化,腸管の短縮,変形を伴う仮性憩室の症例がしばしば経験されるようになり,われわれはこのような症例5例に切除手術を施行している.本稿では,4年間follow upしたが,再燃を繰り返した末に手術を施行した右側結腸憩室炎症例を報告する.

 症 例

 患 者:60歳 男性 会社員

 主 訴:回盲部痛,右下腹部腫瘤,発熱

 既往歴:10年前より高血圧にて降圧剤服用

 家族歴:父親が胃癌にて死亡

 現病歴:1976年12月右下腹部痛,発熱(37℃台)にて近医受診,急性虫垂炎の診断のもとに抗生物質の投与を受け症状は軽快した.この時白血球増多を認めた.翌1977年は,時々右下腹部に軽度圧痛があるも消化剤の内服にて軽減したために放置しておいた.1978年1月中旬~3月にかけ右下腹部痛,発熱を繰り返したため近医にて解熱剤,抗生物質の投与を受けた.3月下旬になり38℃台の発熱,右下腹部痛の増強,白血球増多(12,000)を認めたためクローン氏病の疑いにて消化器病センターを紹介され来院す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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