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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻1号

1981年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌は変貌したか 主題

早期胃癌の変貌―内視鏡診断の立場から

著者: 小黒八七郎1 吉田茂昭1 平嶋登志夫1 山口肇1 公文正光1 吉森正喜1 廣田映五2

所属機関: 1国立がんセンター内科 2国立がんセンター病理

ページ範囲:P.47 - P.56

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 1972年に定められた早期胃癌の肉眼分類1)(Fig. 1)に基づいて,われわれの病院における早期胃癌症例(Table 1)を検討すると,それから当分の間(生検の普及期まで),発見された早期胃癌は教科書的な典型的なものが大多数であった.例えば,集中する粘膜ひだの末端に全周性に蚕しょく像が認められるⅡc2)などが挙げられる.われわれはかかるものを一応,古典的早期胃癌と呼んでいる.それに対して,近年は非典型的なタイプの早期胃癌,すなわち,肉眼的に悪性所見の認めがたい早期胃癌の比率が増加している.例えば,集中する粘膜ひだの末端の蚕しょく像が部分的にしか認められないもの,それが全く認められないものやわれわれが言う胃炎類似癌3)(m,smはⅡb~類似Ⅱbに属する)などが挙げられる.

 なお,早期胃癌のタイプ別,大きさ別や部位別変貌などについては,本号の当院ひろ田論文4)に譲る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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