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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻1号

1981年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌は変貌したか 主題

早期胃癌の変貌―実地医家の立場から

著者: 服部了司1 鈴木武松2 佐伯克美3 小沢昭司4 矢田一5

所属機関: 1浅草医師会・服部胃腸科 2品川区医師会・昭和胃腸科 3葛飾区医師会・佐伯医院 4足立区医師会・小沢胃腸科 5調布医師会・矢田医院

ページ範囲:P.79 - P.84

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 1945年(昭和20年)の第二次世界大戦の敗北まで,日本人の疾患構造の中心は感染症であり,それとの戦いであった.しかし敗戦を契機として,抗生物質,抗結核剤,そのほか栄養状態の改善などにより,結核その他の感染症が後退し,平均寿命の逐年上昇とともにこれにかわって悪性新生物の問題が登場してきた.悪性新生物は1950年に初めて日本人死因の第5位に台頭し,その後,1953年以来第2位に躍進し,そのまま今日まで第2位を保持し続けている1).なかんずくその悪性新生物による日本人の年間死亡者数の約半分を胃癌が占めることから,1950年ごろより諸学者の胃癌に対する積極的な挑戦が開始された.

 すなわち,1950年宇治達郎氏らにより胃カメラが開発され2),同じく1950年に,白壁,市川,熊倉氏らにより開発された二重造影法3)によるX線診断学の進歩は,その後のわが国の消化器病診断学の飛躍的な進歩をうながした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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