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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻10号

1981年10月発行

文献概要

症例

大量出血をみた残胃Billroth II法吻合部隆起性病変の1例―“Gastritis cystica polyposa-Littlerあるいはstomal polypoid hypertrophic gastritis-遠城寺”の症例

著者: 河野研一1 山口俊晴1 東海林茂樹1 成沢富雄1 高橋俊雄1

所属機関: 1秋田大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1133 - P.1137

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 胃腸吻合部には吻合部潰瘍,吻合部癌,吻合口炎,肉芽腫などの病変がみられるが,残胃吻合部の隆起性病変はまれである.196年,Nikolai1)の報告を初めとして約8例が報告され2)~8),術後胃,特にBillroth II法の吻合部にみられるが,その組織学的診断名についてはまだはっきりと定められていない.われわれは,38歳の男性が12年前十二指腸潰瘍のためBillroth II法による胃切除術を受けたが,吻合部より大量出血が生じたため,残胃再切除を行った.この出血は,吻合部の隆起性病変からの出血と考えられ,この病変は組織学的にはLittler2)のgastritis cystica polyposaに一致したので,文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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