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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻11号

1981年11月発行

今月の主題 胆道系疾患の臨床(2)―胆管異常を中心として

主題

先天性胆管拡張症と膵・胆管合流異常の診断

著者: 中沢三郎1 内藤靖夫1 木本英三1 江崎正則1 木下治1 杉山秀樹1 春田和広1 山雄健次1 佐野博2

所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科 2加茂病院内科

ページ範囲:P.1167 - P.1175

文献概要

 先天性胆管拡張症(以下,本症)は,Vater1)によって1723年に記載され,1852年にDouglas2)により初めて独立疾患として報告されるなど,古くから注目されてきた疾患であるが,欧米では極めてまれな疾患とされていた.しかし,近年,本症の知見の普及と診断法の進歩につれて報告例が増加している一方,未だ本態の解明には多数の問題点を残している.また,その名称も従来は先天性総胆管嚢腫や先天性総胆管拡張症などと呼ばれてきたが,研究が進むにつれて,拡張部が総胆管に必ずしも限局しないことや,拡張部の形状が種々あることもあって,先天性胆管拡張症や先天性胆道拡張症という名称が一般的になってきた.また,Babbitt3)の報告以来,本症に高率に合併した膵・胆管合流異常の存在が注目を集め,本症の成因病態に深いかかわり合いを持つものと考えられるようになった.そこで,当教室における先天性胆管拡張症および膵・胆管合流異常の型分類と自験例の概要を述べると共に,その診断に関する問題点について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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