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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻11号

1981年11月発行

胃と腸ノート

CTによる膵癌の早期診断

著者: 森山紀之1 山田達哉1

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部

ページ範囲:P.1184 - P.1184

文献概要

 CTは,最初,頭部の診断用として開発されたものであり,第一世代,第二世代のCTでは,撮影に20秒~4分間を必要とした.このために,腹部領城の検査では,呼吸による体動や腸管の動きによるアーティファクトの発生が多く,十分な診断を行えないことが多かった.第三世代,第四世代のCTの登場によって,撮影時間は2~10秒に短縮された,この結果,アーティファクトの発生は著しく減少し,血管造影,ERCP,超音波などと共に,CTは膵疾患の有力な画像診断法として注日されるようになった.しかしながら,CTでより小さな膵癌を発見するためには,ただ慢然と検査を行うのではなく,いろいろな工夫が必要である.

 まず第一に腸管,特に十二指腸,空腸を腫瘍像と間違えないことが大切である.このためには,3~5%のガストログラフィンを投与することが必要である.この場合,重要なことはガストロゲラフィン投与後に右側臥位,左側臥位と数回体位変換を行い,十分に造影剤を腸管内に流入させることである.この操作によって,腸管を腫瘍像と誤る心配がなくなるわけである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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