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今月の主題 胃のⅡb病変 主題
図形認識と分類の基本からみたⅡbの幅についての考察
著者: 中村恭一1
所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理
ページ範囲:P.1315 - P.1320
文献購入ページに移動 早期胃癌の形態分類は,癌の局面の周囲正常粘膜に対する凹凸をもってなされている.そして,この分類を早期胃癌に適用する場合には,厳密に言うならば人によって分類の相違が生ずることがある.なぜならば,その分類は,連続体の分割であるからである.しかし,Ⅱb型以外の早期癌の型分類においては,あまり問題にならないし,また問題とされることもない.このことは,X線・内視鏡によってそれらを診断することが容易であるからである.Ⅱb型早期癌に限ってその型の適用に厳密さが要求されるのは,Ⅱb型のX線・内視鏡診断が困難であって,それをいかに診断するかという,診断学において解決されていない命題が残されているからであろう,この,いわば診断学の極限の追求ともいうべきことを行うためには,まず,その出発点となるⅡb型とするその適用範囲を明確にする必要があることは言うまでもない.
この適用範囲つまりⅡbの幅の決定に際しては,どうしても図形の認識と分類に関する基本的なことを避けて通ることはできない.なぜならば,Ⅱa~ⅡbとⅡb~Ⅱcの境界に関する問題であるからである.
この適用範囲つまりⅡbの幅の決定に際しては,どうしても図形の認識と分類に関する基本的なことを避けて通ることはできない.なぜならば,Ⅱa~ⅡbとⅡb~Ⅱcの境界に関する問題であるからである.
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