icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻2号

1981年02月発行

今月の主題 胃リンパ腫(2)―良性リンパ腫

主題

胃のreactive lymphoreticular hyperplasiaの病理―本邦における報告例を中心に

著者: 谷口春生1

所属機関: 1大阪府立成人病センター研究所病理部

ページ範囲:P.127 - P.135

文献概要

 胃におけるリンパ細網系の増殖については,総論的には反応性増殖と腫瘍性増殖が考えられ,腫瘍性とすれば良性と悪性およびその境界領域の鑑別,反応性とすれば胃炎性の反応か潰瘍に対する二次的な反応か,更には,腫瘍性増殖と反応性増殖を明確に区別しうるかどうかといった問題がある.今回,本誌において,主題“胃リンパ腫―悪性リンパ腫”に次いで,良性のlymphoproliferative disorderに関する特集が企画されたが,ここでいう“良性”は,悪性腫瘍の対義としての良性腫瘍を指すものではなく,pseudolymphoma(reactive lymphoid hyperplasia)が主な対象となるものであり,リンパ細網系に関しては,良性腫瘍の概念は明確ではないことをお断りしておかねばならない.

 1958年のSmith&Helwig1)の胃悪性リンパ腫とreactive lymphoid hyperplasiaに関する報告はわずかに半ページのabstractで,症例の個個については詳かではないが,その後の多くの胃reactive lymphoid hyperplasiaあるいはpseudolymphomaに関する論文の嚆矢となったものといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら