文献詳細
今月の主題 胃リンパ腫(2)―良性リンパ腫
主題症例 胃良性リンパ腫症例
4年9ヵ月の経過観察の後,切除された胃のreactive lymphoreticular hyperplasiaの1例
著者: 七海暁男1 煎本正博1 山本勇1 中島哲二1 西蔭三郎2 原満2
所属機関: 1虎の門病院放射線診断学科 2虎の門病院病理学科
ページ範囲:P.159 - P.163
文献概要
臨床経過および検査所見 1973年5月,空腹時の心窩部痛や嘔気が生じるようになった.9月25日,虎の門病院で胃X線検査を受け,異常なしと診断された(Fig. 1a).見なおすと,胃角前壁に楕円形のニッシェがあった.胃角部後壁の胃小区模様に異常所見はない.愁訴が持続するので,入院精査が行われた.10月30日の内視鏡検査(Fig. 4a)で,胃角小彎に類円形の浅い小さな潰瘍が2個認められた.11月6日のX線検査(Fig. 1b)および11月12日の内視鏡検査で,潰瘍が瘢痕となっていたので退院した.
Fig. 1cは1974年9月,外来通院中に行った胃X線検査のX線像である.胃角の軽い伸展不良がある.胃角を圧迫すると,少し太まった粘膜ひだが認められた.胃角部から幽門前庭部にかけての胃小区像は,少し大きく,かつ大小不揃いで,また,小さいニッシェが多発している.
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