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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻2号

1981年02月発行

症例

Ⅱc+Ⅱb型早期胃癌に合併し,Ⅱa様隆起を呈した隆起型胃潰瘍瘢痕の症例

著者: 妹尾恭一1 小野康平1 牛島康栄2 植松義和2 田所弘3

所属機関: 1足利赤十字病院内科 2足利赤十字病院外科 3田所医院

ページ範囲:P.209 - P.214

文献概要

 幽門前庭部に発生する対称性潰瘍は,臨床症状,形態などが異なり,またX線および内視鏡検査のうえで特異な形態をとる場合があり,悪性病変との鑑別が困難な場合がある.幽門前庭部に発生した潰瘍が,その治癒過程において,隆起を示す場合があることは蔵原ら1)によって呈示されている.また高木2),中野ら3)は,前庭部急性対称性潰瘍の治癒期において,ⅡaおよびⅡa+Ⅱc型早期胃癌と紛らわしい形態をとる可能性があることを指摘している.しかしながら,潰瘍の治癒過程において隆起を示す場合も,いずれも比較的短期間で治癒平坦化しており,2カ月以上の経過観察においても,なおⅡa様隆起を示し,Ⅱa様早期胃癌と鑑別が困難であった症例は極めて少ない.

 今回われわれは,胃角上部小彎にⅡc+Ⅱb型早期胃癌を合併し,胃角後壁に6カ月間経過観察された,Ⅱa様隆起を示す非対称性潰瘍瘢痕と考えられる症例について経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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