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編集後記 フリーアクセス
著者: 中沢三郎
所属機関:
ページ範囲:P.234 - P.234
文献購入ページに移動良性のリンパ細網系細胞の増殖については1928年Konjetzny以後,Smith & Helwig,Schindlerの報告があり,日本では中村先生のRLHはあまりにも有名であります.以後,数多くの臨床例が発表されており,主として胃癌,特にⅡc型胃癌との鑑別が問題となっておりましたが,最近では,この中に反応性変化もあれば良性腫瘍と考えたほうがよい症例や,どちらとも言えない境界領域のものまで様々な性格をもったものが含まれることが判明してきました.この問題の探究につきましては,単に胃局所のみではなく全身的なリンパ腫との関連で論ぜられるべきでありましょうが,一方,これら本態論は別にして,既に多くの読者が御経験のごとく,RLHと思っていたら実は悪性リンパ腫であったり,また,その逆もみられたり鑑別診断は厄介なものであります.これらの諸問題を一括して理解していただくため,本号では,いわゆる胃の良性リンパ腫についての概念が手際よく整理され,同時に悪性リンパ腫との鑑別点としてX線内視鏡所見および興味ある多数の症例が掲載されています.悪性リンパ腫との区別はなお容易ではありませんが,それでも詳細な所見の読影により,かなりの程度に鑑別が可能となりっっあります.本特集がその一助となれば幸いです.
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