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今月の主題 虚血性腸炎の臨床と病理 序説
虚血性腸炎の臨床と病理
著者: 白壁彦夫1
所属機関: 1順天堂大学医学部内科(消化器)
ページ範囲:P.243 - P.243
文献購入ページに移動 Ⅰ.話題の1つである.頻度が外国より少ないものだから遅れをとった.あとから追いかけたものに,クローン病と本症がある.パピロトミーにしても,日本全国の症例数に匹敵する経験例を,欧州では1施設で持っている.欧州では,十数人の放線医が検討会をしている.その会で本症をテーマにしたところ,200例以上の症例の検討ができたという.これを踏まえて,いま,日本的手法が問われ求められているのである.
Ⅱ.発症の現場を血管造影写真でとらえ,あと,それが回復した結末の所見を,E. Boijsenが見せてくれたことがある.原則は,確かである.不確かなるがゆえに,代謝,免疫の学が入るという領域ではない.消化管屋にとって,脈管の表現を腸管表面にみる,という筋の通った話は,確かである.びまん性,散在性という表現で対比すれば,主として区域性の病変だろうという位置づけに落ちつくだろう.因果関係の思考過程にバランスがとれているケースはよかろう.その経過に断裂をみるものがある.ここに概念の拡大適用をみる.
Ⅱ.発症の現場を血管造影写真でとらえ,あと,それが回復した結末の所見を,E. Boijsenが見せてくれたことがある.原則は,確かである.不確かなるがゆえに,代謝,免疫の学が入るという領域ではない.消化管屋にとって,脈管の表現を腸管表面にみる,という筋の通った話は,確かである.びまん性,散在性という表現で対比すれば,主として区域性の病変だろうという位置づけに落ちつくだろう.因果関係の思考過程にバランスがとれているケースはよかろう.その経過に断裂をみるものがある.ここに概念の拡大適用をみる.
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