文献詳細
今月の主題 虚血性腸炎の臨床と病理
主題
文献概要
虚血性大腸炎は大腸分節に対する血行障害が主因となって起こると推察される疾患である.本症はBoleyら(1963年)1)およびMarstonら(1966年)3)の発表以来,1つの独立疾患として注目されるようになり,近年報告例の増加に伴って臨床的,X線学的,内視鏡的および病理学的知見も明らかにされている2)4)14)~17).しかし,実際には虚血の期間や程度,病変の時期(病期)や病因により種々の病理形態像を呈することが考えられ,また本症がしばしば一過性で経過観察のみのこともあって,その病理形態学的特徴についてはいまだ十分に解明されているとはいい難い.
われわれは手術的に切除され病理組織学的検索が可能であった虚血性大腸炎10例,および臨床的・X線的に本症と考えられて生検が施行された6例の計16例を経験した.本稿では,これら16例のうち手術例10例を中心に,主として病理形態学的立場から,虚血性大腸炎の肉眼的および組織学的特徴を述べる.
われわれは手術的に切除され病理組織学的検索が可能であった虚血性大腸炎10例,および臨床的・X線的に本症と考えられて生検が施行された6例の計16例を経験した.本稿では,これら16例のうち手術例10例を中心に,主として病理形態学的立場から,虚血性大腸炎の肉眼的および組織学的特徴を述べる.
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