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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻3号

1981年03月発行

文献概要

今月の主題 虚血性腸炎の臨床と病理 主題

虚血性大腸炎の病理

著者: 岩下明徳1 飯田三雄2

所属機関: 1九州大学医学部第2病理 2九州大学医学部第2内科

ページ範囲:P.245 - P.257

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 虚血性大腸炎は大腸分節に対する血行障害が主因となって起こると推察される疾患である.本症はBoleyら(1963年)1)およびMarstonら(1966年)3)の発表以来,1つの独立疾患として注目されるようになり,近年報告例の増加に伴って臨床的,X線学的,内視鏡的および病理学的知見も明らかにされている2)4)14)~17).しかし,実際には虚血の期間や程度,病変の時期(病期)や病因により種々の病理形態像を呈することが考えられ,また本症がしばしば一過性で経過観察のみのこともあって,その病理形態学的特徴についてはいまだ十分に解明されているとはいい難い.

 われわれは手術的に切除され病理組織学的検索が可能であった虚血性大腸炎10例,および臨床的・X線的に本症と考えられて生検が施行された6例の計16例を経験した.本稿では,これら16例のうち手術例10例を中心に,主として病理形態学的立場から,虚血性大腸炎の肉眼的および組織学的特徴を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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