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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻3号

1981年03月発行

今月の主題 虚血性腸炎の臨床と病理

主題症例 虚血性腸炎

一過性虚血性大腸炎の1例

著者: 小平進1 寺本龍生1 生駒光博1 伊井祥1 固武健二郎1 熊倉賢二2 杉野吉則2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科 2慶応義塾大学医学部放射線診断部

ページ範囲:P.279 - P.282

文献概要

 虚血性大腸炎はMarston1)によると①gangrene of the colon,②ischemic stricture,③transient ischemic colitisに分類されている.一過性の虚血性大腸炎は頻度が高いと思われるが,経過が早いために十分な検査が行われずに診断が不確実となることも少なくない.最近,私たちは発症後早期にX線および内視鏡検査にて診断し,経過を観察した本症の1例を経験したので報告する.

 症 例

 患 者:70歳,女.

 主 訴:腹痛,下血.

 既往歴,家族歴:特記すべきことなし.

 現病歴:1979年12月27日夜間入浴後に突然軽い嘔気,下腹部鈍痛出現,便意を催し,排便時に新鮮な血液の混入を認めた.その後も腹痛が続き,新鮮血のみの排出を2~3回みた.12月28日本院受診,直ちに直腸鏡検査施行.肛門縁より15cmの検索範囲に異常なく,口側より旧血液が流れてくるのが観察され,緊急入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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