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今月の主題 虚血性腸炎の臨床と病理 主題症例 虚血性腸炎
狭窄型虚血性大腸炎の1例―注腸X線像の推移を中心に
著者: 牛尾恭輔1 平嶋登志夫2 山脇義晴1 森山紀之1 岡崎正敏1 松江寛人1 笹川道三1 山田達哉1 板橋正幸3 廣田映五3 市川平三郎1
所属機関: 1国立がんセンター病院放射線診断部 2国立がんセンター病院内科 3国立がんセンター病院病理部
ページ範囲:P.295 - P.301
文献購入ページに移動症 例
患 者 61歳,男.
主 訴 左側腹部痛,下血.
既往歴 肺炎(18歳),胃潰瘍(57歳).
家族歴 兄に胃癌あるほかには,特記すべき事項なし.
生活歴 外国での居住歴なし,その他特記すべき事項なし.
現病歴 45歳ごろより高血圧を指摘され,某院にて内服治療中であった.1974年の夏ごろより,歩行時に時々,左前胸部の不快感を覚えていたが,2~3分間の安静で消失していた.1974年9月6日より3日間排便がなく,9日の朝,食事後に浣腸したが排便はなかった.正午ごろ,急に悪心嘔吐があり立ち上がれなくなったので,救急車にて某院受診した,そのときの最高血圧は240mmHgであった.午後1時ごろより急に左の下腹部と側腹部痛を認め,午後3時には,便器いっぱいに血餅様の黒色便を排出した.翌10日にも腹痛と下血は続き,疲労感と全身倦
怠感を覚え,通常200mmHgある最高血圧が146mHgに低下したので,11日,車椅子にて国立がんセンター病院に入院した.
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