文献詳細
今月の主題 虚血性腸炎の臨床と病理
主題症例 虚血性腸炎
多発縦走潰瘍とsacculationを伴った狭窄型虚血性大腸炎の1例
著者: 勝又伴栄1 今津充子1 福井光治郎1 高田好彦1 岡部治弥1 花沢一芳2 高橋俊毅2 比企能樹2 中英男3
所属機関: 1北里大学医学部内科 2北里大学医学部外科 3北里大学医学部病理
ページ範囲:P.319 - P.322
文献概要
症 例
患 者:52歳,男.
主 訴:腹痛,下血.
現病歴:20年来軟便傾向で,週1回ぐらい下痢があり,労作時に動悸,息切れを訴えることがあった.1979年3月下旬に感冒様症状があり,3月30日朝食前に排便し,その直後から腹部全体のキリキリする痛みが出現した.痛みは徐々に左下腹部に限局し,15分ぐらいで最強となった.この後血性下痢を4~5回繰り返し,嘔吐も1回認めた.翌日にも同様の発作があり本院受診.注腸造影で下行結腸に異常を指摘され,同年4月19日内科入院となった.
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