文献詳細
今月の主題 虚血性腸炎の臨床と病理
主題症例 虚血性腸炎
分娩後発症した虚血性小腸炎の1例
著者: 大高英雄1 勝又伴栄1 岡部治弥1 高橋俊毅2 五十嵐正広3 中英男3
所属機関: 1北里大学医学部内科 2北里大学医学部外科 3北里大学医学部病理
ページ範囲:P.333 - P.336
文献概要
症 例
患 者:34歳,女.
主 訴:腹痛.
既往歴:3年前,子宮内膜症を指摘されている.2年前,不全流産にてD&C施行.
家族歴:特記すべき事項はない.
現病歴:1979年8月6日第2子正常分娩(妊娠38週,第2頭位).その直後から食後の心窩部不快感あり,同年8月10日夕食後より急激に嘔吐を伴う激しい上腹部痛と右下腹部鈍痛が出現した.排便により腹痛は軽減している.8月24日近医で上部消化管造影を施行する.バリウムの排出が悪く,翌日から腹痛のため,同院に3週間入院.10月には,下痢と体重減少(8kg/2M)が加わり,本院受診.食事摂取困難,脱水著明にて,10月16日本院内科に入院した.血便,背部痛は認めていない.
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