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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻3号

1981年03月発行

今月の主題 虚血性腸炎の臨床と病理

主題症例 虚血性腸炎

分娩後発症した虚血性小腸炎の1例

著者: 大高英雄1 勝又伴栄1 岡部治弥1 高橋俊毅2 五十嵐正広3 中英男3

所属機関: 1北里大学医学部内科 2北里大学医学部外科 3北里大学医学部病理

ページ範囲:P.333 - P.336

文献概要

 最近,われわれは,分娩を契機として発症した小腸に限局し慢性の経過と紐状狭窄を呈した虚血性腸炎のまれな1例を経験したので,若干の考察を加え,報告する.

 症 例

 患 者:34歳,女.

 主 訴:腹痛.

 既往歴:3年前,子宮内膜症を指摘されている.2年前,不全流産にてD&C施行.

 家族歴:特記すべき事項はない.

 現病歴:1979年8月6日第2子正常分娩(妊娠38週,第2頭位).その直後から食後の心窩部不快感あり,同年8月10日夕食後より急激に嘔吐を伴う激しい上腹部痛と右下腹部鈍痛が出現した.排便により腹痛は軽減している.8月24日近医で上部消化管造影を施行する.バリウムの排出が悪く,翌日から腹痛のため,同院に3週間入院.10月には,下痢と体重減少(8kg/2M)が加わり,本院受診.食事摂取困難,脱水著明にて,10月16日本院内科に入院した.血便,背部痛は認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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