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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻3号

1981年03月発行

研究

下部大腸隆起性病変のX線精密検査法―バルーン直接圧迫法

著者: 阿部荘一1 広田敬一2 長沢茂2 舩瀬和弘2 森山紀之2 高杉敏彦2 岡崎正敏2 牛尾恭輔2 松江寛人2 笹川道三2 山田達哉2 市川平三郎3

所属機関: 1順天堂大学医学部消化器内科 2国立がんセンター病院放射線診断部 3国立がんセンター病院

ページ範囲:P.353 - P.360

文献概要

 大腸のX線診断は,注腸二重造影法の発達により著しい進歩を遂げ,小さな隆起性病変も数多く発見されるようになってきた.したがって,隆起性病変の形態を明瞭に描出して,癌か否か,癌ならば早期癌か進行癌かをX線診断しなければならない機会は,ますます多くなると考えられる.ところが,この優れた二重造影法を用いても,隆起性病変の形態を明らかにすることは,必ずしも容易ではない1).また,胃の隆起性病変には極めて有効な圧迫撮影法は,解剖学的理由で大腸では一般に適用困難である.このように大腸の隆起性病変を精密診断するためには,従来のX線検査法のみでは不十分な場合がある.

 そこで,われわれは肛門から挿入したバルーンを用いて,病変を腸管の内腔から直接に圧迫して描出するX線検査法“バルーン直接圧迫法”を考案した.この方法を用いると直腸およびS状結腸の隆起性病変をFig.1のように明瞭に描写できる.したがってこの方法は下部大腸の隆起性病変に対するX線精密検査法として,臨床的に十分有用と考えられるので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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