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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻4号

1981年04月発行

文献概要

今月の主題 胃リンパ腫(3)―鑑別 主題症例

表層拡大型を呈した胃悪性リンパ腫の1例

著者: 山脇義晴1 森山紀之1 牛尾恭輔1 岡崎正敏1 松江寛人1 笹川道三1 山田達哉1 市川平三郎1 吉田茂昭2 小黒八七郎2 岡田俊夫3 廣田映五3

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター内科 3国立がんセンター病理

ページ範囲:P.447 - P.450

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 胃悪性リンパ腫の肉眼形態について,佐野1らは胃癌との鑑別診断に重点をおいて,表層型,潰瘍型,隆起型,決潰型,巨大皺襞型の5型に分類している.われわれは表層拡大型の1例を経験したので,そのX線,内視鏡,切除標本の肉眼所見および組織学的所見について報告する.

 症 例

 患 者:38歳,女.

 主 訴:むねやけ.

 家族歴:母が子宮癌で死亡.

 既往歴:特になし.

 現病歴:1972年10月28日,国立がんセンター受診.患者はその約1年半前に,空腹時のむねやけを主訴として某医を訪れ,胃X線検査,胃カメラなどの検査を受けた.特に異常は指摘されず,薬物の投与を受けて,一時的に自覚症状は改善した.しかし,1カ月前から同様のむねやけが再び出現した.むねやけは食後2~3時間で始まり,飲食物の摂取により軽快した.また,ときには心窩部痛もあり,胃内に“かたまり”を感じるようになったため患者は胃癌を心配し来院した.当院で胃X線検査,胃カメラおよび生検により,胃悪性リンパ腫と診断され,手術をすすめられ入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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