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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻5号

1981年05月発行

今月の主題 胃リンパ腫(4)―治療と経過

主題症例 治療と経過

数個の小さな粘膜隆起が2年5ヵ月間に巨大皺襞へと発育した進行胃悪性リンパ腫の1例

著者: 二宮健1 馬場保昌1 丸山雅一1 杉山憲義1 竹腰隆男1 池田滋司1 大崎康世1 久原敏夫1 古賀正広1 高木国夫2 加藤洋3 中村恭一34

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院外科 3癌研究会附属病院病理 4筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.531 - P.536

文献概要

 最近,われわれは数個の小さな粘膜隆起が2年5カ月間に著明な変化を示し,巨大皺襞所見を呈した進行胃悪性リンパ腫を経験したので報告する.

症 例

 患 者:51歳,男,会社員.

 主 訴:食思不振,心窩部痛.

 家族歴:特記することなし.

 現病歴:1970年7月,某病院の人間ドックで胃X線検査を受けたが,特に異常所見は指摘されなかった.しかし,便潜血反応が陽性であったため内視鏡検査をすすめられた.同年9月,精密検査の目的で癌研内科を受診した.胃X線(9月10日)および内視鏡検査(9月12日)では,異常なしと診断された.1971年12月4日(1年3ヵ月後)のX線検査では,胃体上部の粘膜下腫瘍と診断され,内視鏡検査(12月5日)では,同部位の限局性肥厚性胃炎と診断された.患者は,1972年8月ごろより食思不振と心窩部膨満感を覚えるようになり,同年9月20日,某病院で胃X線検査を受けたが異常所見は指摘されなかった.しかし上記症状は改善せず,同年12月中句ごろよりとう痛を伴うようになったため,同年12月25日(2回目の検査の1年後)再び癌研内科を受診.胃X線検査(12月25日)の結果,胃体上部の進行癌と診断され,1973年1月19日手術の目的で入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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