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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻6号

1981年06月発行

今月の主題 胆道系疾患の臨床(1)―総胆管結石症を中心として

主題

胆管胆石症診断における経静脈性ならびに経皮的胆道造影法の意義

著者: 大野孝則1 大藤正雄1 土屋幸浩1 税所宏光1

所属機関: 1千葉大学医学部第1内科

ページ範囲:P.609 - P.614

文献概要

 近年,胆道疾患の診断法の進歩は著しく,PTC,ERCなどの直接胆道造影法や超音波検査,X線CTなどが用いられてきている.排泄性胆道造影法に加えて,これらの多彩な診断法の出現により,それぞれの診断法の適応が見直されてきている1).ところで,排泄性胆道造影法には経口法と経静脈法(IVC)とがある.前者は簡便に胆囊を造影しうるが,胆管の造影に難点があり,胆管病変の診断には専らIVCが用いられる.

 胆管胆石症の診断にも種々の検査法が用いられてきたが,現在でもIVCが診断の基本となっていることに変わりがない1).しかしながら,“IVCの造影能は劣っており,たとえ胆管が造影されても胆石像までは明瞭に写し出されることが少ない”という先入観もあって,直接胆道造影法に頼りがちな傾向がないとは言えない.直接造影はしばしば,疑問を差し挾む余地がないほどの完壁な情報を与えてくれるが,安全性や患者の負担などを考慮すれば,その適応は慎重でなければならないと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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