研究
経口的胆道鏡の開発の現状と展望
著者:
有山重美1
河村奨1
富士匡1
播磨一雄1
竹本忠良1
所属機関:
1山口大学医学部第1内科
ページ範囲:P.675 - P.679
文献購入ページに移動
近年の消化器内視鏡学の進歩は目覚ましいものがあり,上部・下部消化管疾患の診断技術は飛躍的に向上した.しかしながら,胆道系疾患については,ERCP,PTC,US,angiography,schintigramなどのいわゆる映像診断法には進歩がみられたのに対して,内視鏡本来の目的である直視下診断・生検などの技術が立ち遅れているのが現状である.1973年以来内視鏡的乳頭切開術(EPT)が行われるようになり1)~5),胆道系疾患に対して様々な内視鏡的アプローチが可能となった6)~23).著者らも1977年に経口的胆道鏡の試作・開発に着手した15)22).町田製作所・オリンパス光学の協力を得て,現在までに親子式,スライディング・チューブ式,ダイレクト式の3種の方式の胆道鏡を試作開発した.これらを用いて内視鏡的乳頭切開術を受けた患者を対象として胆道内視鏡検査を行ってきたので,その開発状況および問題点などについて比較検討を加えて報告する.