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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻6号

1981年06月発行

文献概要

研究

経皮経肝胆道内視鏡

著者: 二村雄次1 早川直和1 豊田澄男1 弥政洋太郎1 中沢三郎2

所属機関: 1名古屋大学医学部第1外科 2名古屋大学医学部第2内科

ページ範囲:P.681 - P.689

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 胆道への診断学的アプローチはX線診断が主体となっていたが,胆道鏡の開発以来,術中,術後の胆道鏡検査が次第に進歩してきた.また,経口的膵・胆管内視鏡検査法(PCPS)が開発されるに至り,全く外科的処置のされていない患者の胆道の内視鏡検査が可能となった.更に,内視鏡的乳頭切開術を施行した症例に対しては細径直視型ファイバースコープを用いて経口的直接胆道内視鏡検査法(PDCS)が開発されるに至り,胆道の内視鏡検査も精密診断の時代に入ろうとしている感さえある.

 1977年3月以来,閉塞性黄疸症例に対して経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)を行った後に,ドレナージカテーテルの内腔を通して細径の胆道ファイバースコープを挿入して,胆管閉塞部の内視鏡検査を行ってきた.そして,この検査法を経皮経肝胆道鏡検査法(Percutaneous Transhepatic Cholangioscopy, PTCS)と名付けた.PTCSを更に精密検査の領域にレベルアップするために,PTCDの瘻孔を更に太いものにし,そこへ更に太径の胆道ファイバースコープを挿入して,悪性閉塞性黄疸症例に対する胆道鏡直視下生検および,胆管結石症に対する経皮経肝的な截石術をすることに成功した.PTCSが胆道疾患に対する診断学的意義ばかりでなく,治療的意義をも併せ持つことを確認したので,その具体的な検査方法,内視鏡器種の開発について紹介すると共に,将来への展望について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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