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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻6号

1981年06月発行

Coffee Break

腎疾患患者の血中トリプシン値

ページ範囲:P.690 - P.690

文献概要

 Rumpfらによると腎疾患患者で血中クレアチニン値と血中トリプシン値が相関関係をもっているという.ということは,トリプシンの排泄に腎が大きな関係をもっているという予想もできる.

 同様に腎疾患患者について調べたAntonucciらの成績では,GFR(glomerular filtration rate)が血中のトリプシン値やアミラーゼ値と関係が深かった.つまり,これらの酵素の血中濃度はGFRと逆相関を示すのである.GFRが同じ例の中では血中膵酵素濃度とPTH(parathormone)値とが相関していた,PTH濃度が同じ例の中では血中膵酵素濃度とGFRは相関しない.だから,腎不全患者の血中膵酵素濃度が高いことの理由として,腎からの排泄が低下していることよりもむしろGFR減少と関連したPTH値が上昇していることが何らかの形で関与しているものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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