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海外文献紹介「食道の特発性壁内破裂と壁内血腫」
著者: 舩冨亨1
所属機関: 1関東逓信病院消化器内科
ページ範囲:P.726 - P.726
文献購入ページに移動Spontaneous intramural rupture and intramural haematoma of the oesophagus: Kerr, W.F.(Thorax 35: 890~897, 1980)
腹痛,胸痛の原因となる極めてまれな特発性食道壁内破裂と壁内血腫の自験5例を合わせた20例について検討した.本症の発生機序はマロリーワイス症候群や特発性食道破裂と同様に考えられているが,その程度は前者より強く,後者よりも軽く両者の中間型である.症状は後者に類似して,激烈な疹痛が特徴である.痙痛と共に嘔吐があったのは7例のみであり,また初老の女性に多い(14/20)のも異なる.典型例では胸骨下部の不快感に始まって,20~30分の経過で激烈な前胸部~心窩部痛となり,嚥下により増強し,しばしば背中・首・喉に放散する.11人に吐血がみられたが,その量は少なく,4人しか輸血を受けていない.
腹痛,胸痛の原因となる極めてまれな特発性食道壁内破裂と壁内血腫の自験5例を合わせた20例について検討した.本症の発生機序はマロリーワイス症候群や特発性食道破裂と同様に考えられているが,その程度は前者より強く,後者よりも軽く両者の中間型である.症状は後者に類似して,激烈な疹痛が特徴である.痙痛と共に嘔吐があったのは7例のみであり,また初老の女性に多い(14/20)のも異なる.典型例では胸骨下部の不快感に始まって,20~30分の経過で激烈な前胸部~心窩部痛となり,嚥下により増強し,しばしば背中・首・喉に放散する.11人に吐血がみられたが,その量は少なく,4人しか輸血を受けていない.
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