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文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻7号

1981年07月発行

文献概要

今月の主題 実験胃癌とヒト胃癌 主題

実験胃癌モデルの臨床応用とその貢献

著者: 斎藤貴生1 佐々木攻2 松口宰邦3 岩松正義2 左野千秋4 井口潔4

所属機関: 1大分医科大学第1外科 2福岡歯科大学外科 3九州がんセンター外科 4九州大学第2外科

ページ範囲:P.727 - P.736

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 実験胃癌の高頻度誘発が可能になった1967年1)以来,実験胃癌の研究成果が数多く報告されてきたが,この辺でそれらの成果がヒト胃癌の研究にどのように貢献したかを考えてみるのは,過去の研究の在り方を反省し,今後の研究の方向性を見定めていくうえでも重要であると,われる.この実験系が開発された当初,実験胃癌研究の目的として,(1)胃癌の発生に関与する環境発癌物質を検索する,(2)胃癌の発生機構を究明する,(3)臨床応用,すなわちこのモデルを用いて,胃癌の臨床上の問題点を解明する,の3点が考えられた.筆者らは,1968年以来一貫して,第3の臨床応用という立場から実験胃癌の研究を進めてきた.

 ここでは実験胃癌の研究成果が,臨床面でのヒト胃癌の研究にどのように貢献したかについて,筆者らの研究結果を中心に整理してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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