icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸16巻8号

1981年08月発行

今月の主題 症例・研究特集

症例

限局性腹膜炎を併発し診断困難であった横行結腸結核の1例

著者: 高見元敞1 花田正人2 木村正治1 麻生礼三1 清水宏1 竹内直司1 吉井町子3 吉岡寛康4 杉山直5

所属機関: 1市立豊中病院外科 2市立豊中病院病理 3市立豊中病院放射線科 4大阪大学医学部放射線科 5杉山放射線科

ページ範囲:P.875 - P.882

文献概要

 大腸結核は,わが国において,クローン病をはじめとする炎症性腸疾患への関心が高まるにつれて,最近再び注目を集めるようになった,しかし,現在われわれの目に触れる大腸結核は,ほとんどが治癒傾向にあるものか瘢痕化したものであり,活動性の病変に遭遇することは少ない,白壁1)2)をはじめとする最近の腸結核の診断理論が,“瘢痕の診断を起点とする微細診断”であることが,それを象徴している.

 しかし,果たして本当に,われわれの周辺から活動期の腸結核が姿を消したのであろうか?

 ここに呈示する症例は,大腸に潰瘍を生じる疾患の鑑別診断が要求され,X線や内視鏡検査では,共に結核以外の病変であると診断された.病理学的には乾酪性肉芽腫を伴う活動性の腸結核であったが,幾つかの特異な所見が認められ,腸結核の成り立ちを推測するうえで示唆に富む症例と考えれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら