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文献概要
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海外文献紹介「“早期”胃癌の自然史:10年間の地域調査成績」
著者: 小林世美1
所属機関: 1愛知県がんセンター第1内科
ページ範囲:P.882 - P.882
文献購入ページに移動Natural history of “early” gastric cancer: results of a 10-year region alsurvey: J.W.L. Fielding, D.J. Ellis, B.G. Jones et al(British Medical Journal 281: 965~1967, 1980)
1960年から1969年までの10年間に,バーミンガムの癌登録にのった胃癌13,228例中の90例(0.7%)に早期胃癌が認められた.その肉眼型は,日本の早期胃癌分類のI型18例,Ⅱ型16例,Ⅲ型42例で,分類不能が14例あった.m癌が34例,sm癌は56例であった.
“早期”という語句は,carcinomain-situをほのめかすので適当ではない.この中には,実際にinvasiveの癌があり,リンパ節転移も,m癌で8.8%,sm癌で17.4%と報告され,これは予後に影響してくる.したがって,このシリーズでは,リンパ節転移例は除外した.頻度の0.7%は,目本での1945~50年ごろの1%に相当する.早期胃癌の性比・年齢は一般の胃癌と同じだが,予後はずっとよい.全胃癌の5生率は3.7%,根治例でも14.6%であるのに対し,早期癌では57.8%であった.症状は,上腹部痛が最も多く,次いで体重減少であった.
1960年から1969年までの10年間に,バーミンガムの癌登録にのった胃癌13,228例中の90例(0.7%)に早期胃癌が認められた.その肉眼型は,日本の早期胃癌分類のI型18例,Ⅱ型16例,Ⅲ型42例で,分類不能が14例あった.m癌が34例,sm癌は56例であった.
“早期”という語句は,carcinomain-situをほのめかすので適当ではない.この中には,実際にinvasiveの癌があり,リンパ節転移も,m癌で8.8%,sm癌で17.4%と報告され,これは予後に影響してくる.したがって,このシリーズでは,リンパ節転移例は除外した.頻度の0.7%は,目本での1945~50年ごろの1%に相当する.早期胃癌の性比・年齢は一般の胃癌と同じだが,予後はずっとよい.全胃癌の5生率は3.7%,根治例でも14.6%であるのに対し,早期癌では57.8%であった.症状は,上腹部痛が最も多く,次いで体重減少であった.
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