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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻10号

1982年10月発行

今月の主題 ERCP―10年を経て―(1)診断能と限界―特に総合画像診断における位置づけ

主題

ERCPによる膵癌の診断能とその限界

著者: 高木国夫1 大田博俊1 大橋一郎1 霞富士雄1 竹腰隆男2 大橋計彦2 丸山雅一2 村上義史2 権藤守男2 平岩隆男2 加藤洋3 柳沢昭夫3

所属機関: 1癌研究会付属病院外科 2癌研究会付属病院内科 3癌研究会付属病院病理

ページ範囲:P.1065 - P.1080

文献概要

 現今,膵の形態学的診断法は数多く開発されて内視鏡的膵・胆管造影法(ERCPと略),血管造影法,膵シンチグラム,超音波検査法(USと略),Computed Tomography(CTと略)などがあるが,なかんずく重要な検査法はERCPであり1969年大井ら1),ならびにわれわれ2)が臨床的に初めて開発して,膵の形態学的診断に極めて有用であることを報告して以来10年以上を経過している.

 ERCP開発直後,1970年われわれは「Gastroenterology」に“We believe that…especially the change in the pancreatic duct system observed by pancreatography will contribute to the diagnosis of pancreatic tumors in future”と記載し3),ERCPが特に膵癌の診断に貢献する重要性を強調した.ERCPにより,切除可能な小膵癌,あるいは早期膵癌が発見される期待が持たれ多くの努力がなされてきた.ERCP開発後,膵癌に対するERCPの診断能について多くの議論がなされたが,ERCPで発見された膵癌は進行したものが多く,膵癌の診断は可能になったが,膵癌の早期診断につながらず,膵癌の早期発見には悲観的な考えが述べられたこともあり,われわれ4)のも切除可能な膵癌はERCPの得られないもので,逆にERCPの得られたものは切除不能のものが多いと,膵癌に対するERCPの意義を述べたことがあった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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