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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻11号

1982年11月発行

文献概要

今月の主題 ERCP―10年を経て―(2)技術の進歩と展開 主題

内視鏡的逆行性胆管ドレナージ法

著者: 田中義憲1 多田正大1 中島正継2 藤本荘太郎2 今岡渉2 吉田俊一2 小林正夫2 安田健治朗3 池沢健男4 吉中正人5 山口勝通6 川本一祚6

所属機関: 1京都第一赤十字病院第3内科 2京都第二赤十字病院消化器科 3琵琶湖胃腸病院内科 4東大阪病院外科 5公立山城病院外科 6京都府立医科大学公衆衛生

ページ範囲:P.1205 - P.1212

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 胆道疾患の臨床において閉塞性黄疸の問題は大きい.胆道が腫瘍や胆石により機械的に閉塞された状態が長く続くと多くの障害が発現する.胆道内圧の上昇による肝実質障害,胆汁成分の欠如による消化吸収障害,血中へ漏出した胆汁色素の各種臓器への沈着による肝・腎などの機能障害などである.これらの障害は外科的処置の後の経過に重大な影響を与える.したがって,閉塞性黄疸に対しては早期診断と共に可能な限り早い時期に減黄術の処置が必要となる.

 現在行われている減黄術には外科的な内・外胆汁瘻造設術以外に経皮的胆管ドレナージ(PTCD)および内視鏡的な外瘻術として経乳頭的にdrainage tubeの挿入を行い,経鼻的にそのtubeを維持するnaso-biliary drainageが施行されている.術後の死亡率の点で外科的ドレナージには問題が多く,現在最もよく行われるのはPTCDの手技である.PTCDについては超音波診断装置の導入により,安全で確実なドレナージ法として確立されている.しかし,この方法はあくまで外瘻術であり,長期にわたる場合は患者の負担も大きい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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