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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻11号

1982年11月発行

文献概要

今月の主題 ERCP―10年を経て―(2)技術の進歩と展開 研究

経口的胆管内視鏡検査法による胆道疾患の診断と治療

著者: 藤本荘太郎1 中島正継1 今岡渉1 吉田俊一1 小林正夫1 加藤元一2 徳田一2 田中義憲3 木本邦彦4 安田健治朗5 光吉靖夫5 白川和夫5 竹林政史5 山口勝通6 赤坂裕三6 岩破淳郎6

所属機関: 1京都第二赤十字病院消化器科 2京都第二赤十字病院外科 3京都第一赤十字病院第3内科 4大阪鉄道病院消化器内科 5琵琶湖胃腸病院内科 6京都府立医科大学公衆衛生

ページ範囲:P.1243 - P.1250

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 経口的胆・膵管内視鏡検査法(peroral cholangiopancreatoscopy;PCPS)は非観血的な胆膵管の観察を目的としたものであり,いまだ開発途上にあるとはいえ,消化器内視鏡学における最も新しい分野の検査法である1)~7).著者らは1975年よりオリンパス光学と共同で本法の開発に積極的に取り組み,まず大口径の側視型十二指腸ファイバースコープと,その鉗子孔を通過しうる直視型細径ファイバースコープの組み合わせによる親子スコープ方式胆膵管鏡について検討し,報告した3)~5)7).この方式は通常乳頭症例においても,胆・膵管両方の観察が行える利点があるが,径が制限されるために,先端彎曲装置や生検鉗子孔などの機構が盛り込めず,随意的な観察や種々の処置が行えないという欠点があった.

 一方,著者らは世界に先駆けて1973年より内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)を行い8),既に450例を数え,本法の有用性と安全性については再三報告してきた9)~12).主要観察部位を胆管に絞れば,ESTを応用することにより,先端彎曲機構・生検鉗子孔を備えた大口径ファイバーの総胆管への挿入が可能であり,経口的胆管鏡(peroral cholangioscopy;PCS)としてスライディングチューブ方式を考案し検討している13).本稿では,われわれのPCSの臨床的有用性について報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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