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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻12号

1982年12月発行

今月の主題 残胃の癌

主題症例

十二指腸潰瘍で胃切除後19年目に診断された残胃吻合部早期胃癌(Ⅱa)の1例

著者: 福地創太郎1 中島哲二2 松川正明3 望月孝規4 原満5 秋山洋6 檜山譲

所属機関: 1虎の門病院消化器科 2虎の門病院放射線診断学科 3虎の門病院病理学科 4虎の門病院病理学科 5虎の門病院病理学科 6虎の門病院消化器学科 7虎の門病院消化器外科

ページ範囲:P.1329 - P.1332

文献概要

 胃切除後の残胃に発生する癌は,癌の発生母地や発生機序に関連して興味があるが,残胃の癌を論ずる際には,残胃に見出された癌が最初の手術における胃癌の再発であったり,切除の時点で既に残胃に存在していた可能性をできるだけ除外する必要がある.このため,残胃の癌の概念や定義に関しては種々の見解が主張されている.すなわち,最初の胃切除の原因となった疾患が悪性腫瘍である場合と良性疾患である場合を区別し,更に,最初の手術後,残胃に癌が発見されるまでの期間を5年,10年,15年以上などと規定する考え方である.

 われわれは18歳で十二指腸潰瘍として2/3胃切除術を受け,19年後に残胃吻合部に,いわゆるgastritis cystica polyposa(Littler),stomal polypoid hypertrophic gastritis(遠城寺)の所見と共存して,Ⅱa型早期胃癌が発生していた症例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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