文献詳細
今月の主題 sm胃癌の問題点(2)―陥凹型症例
主題症例
術前Ⅱc類似進行胃癌と診断され,術後3年目に再発死亡したⅡc型早期胃癌(深達度sm)の1例
著者: 馬場保昌1 久原敏夫1 二宮健1 大崎康世1 池田滋司1 古賀正広1 杉山憲義1 竹腰隆男1 丸山雅一1 熊倉賢二2 中川健3 高木国夫3 加藤洋4 中村恭一5
所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2慶応義塾大学医学部放射線診断部 3癌研究会附属病院外科 4癌研究会附属病院病理 5筑波大学基礎医学系病理
ページ範囲:P.169 - P.174
文献概要
症例
患 者:46歳,男,自営業.
主 訴:空腹時心窩部痛.
家族歴:特記すべきことはない.
既往歴:30歳のときに虫垂切除術を受けた.
現病歴:1971年4月ごろより,空腹時の心窩部痛が間歇的に出現するようになった.同年9月近医を受診し,胃X線検査を受けた結果,十二指腸潰瘍と診断され投薬を受けた.症状は一時期消失したが,翌年の6月ごろより上記症状が再発したため,再び同医を受診して胃X線検査を受けたところ胃の変形を指摘され,精密検査を勧められた.同月某大学病院にて精密検査を受け,手術したほうがよいと言われた.同年7月5日に癌研外科を受診し,8月17日に入院した.空腹時の心窩部痛は断続的に入院時まで続いた.
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