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文献詳細

雑誌文献

胃と腸17巻3号

1982年03月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 症例

空腸生検によって診断された重症糞線虫症

著者: 山脇幹夫1 小川啓恭2 高部勝衛1 山根源太郎1 柏村茂2 七星正久2 山下憲一3

所属機関: 1公立学校共済組合近畿中央病院消化器科 2公立学校共済組合近畿中央病院内科 3公立学校共済組合近畿中央病院病理

ページ範囲:P.337 - P.342

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 糞線虫(Strongyloides stercoralis)は,主としてヒトを宿主とする寄生性小線虫であり,熱帯,亜熱帯など高温多湿地域に多く分布することが知られている.アジアでは特にインド,東南アジアに蔓延し,本邦においては沖縄県,鹿児島県,特に南西諸島に患者が多発しているが1)2)7),そのほかの地域ではまれとされ,ほとんど注目されていない.今回,筆者らは兵庫県尼崎市在住の患者の空腸生検組織に,本虫の虫卵および虫体を見出した.患者はこの数年の間に心筋梗塞,閉塞性胆道疾患にかかっており,糞線虫症の立場から改めて過去の病歴を検討したところ,未解決の臨床所見に合理的な解釈を得ることができた.ここに諸家の文献を参照しつつ本例の病像について考察を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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